2017年2月28日火曜日

【所蔵紹介】居場所の社会学 阿部真大著

居場所、居場所と、よく聞くようになりました。
生きづらさを考える時に、鍵になるのが「居場所」です。
安心できる居場所があることは大事ですよね。

居場所について、さまざまな角度から考察したのがこの本です。

作者の阿部さんの体験からの疑問という形をとっていますが
わたしたちが人間関係で悩むことがらについて
居場所という切り口で迫ります。

たとえば「ひとりでいることはスティグマ化することもある」

わたしは子どもの頃、休み時間は絵を描いて過ごす子どもでしたが
これに、「ひとりぼっち」というレッテルを貼ると
とたんに「友達のいないかわいそうな(恥ずかしい)子」になります。

クリぼっち(クリスマスにひとりでいること)という単語のように
この感覚は大人になってもわたしたちの中にたしかにあります。

この本では家庭や、職場や、社会の中で
わたしたちがなんとなく「つらい」「しんどい」と思ってしまう構造を
「居場所」という言葉をテーマに丁寧に解き明かしていきます。

途中、ガチ硬派な社会学文献からの考察もあれば
J-POPを用いてアラサーアラフォー世代に共感させる部分もあります。

30代、当事者目線のある阿部さんならではの一冊だと思います。

さて、
2017年3月4日(土)14時~16時30分
すてっぷホールでは、若者の居場所を考える講演会を行います。
テーマは「若者の仕事と居場所づくりを考えるために」
講師はこの本の著者、阿部真大さんと、追手門大学の前比呂子さん。
若者の社会学の阿部さんと、女性の貧困についての前さんの
クロストークです。

今の若者が、なぜこんなに生きづらいと感じてしまうのか?
昔、違う時代を生きた若者だったわたしたちには見えにくいことを
女性、若者、その支援、と、切り口を変えながらざっくばらんにお話します。
できれば、観客と講師の距離を近くしたい!などの工夫も進行中。

今の大人たちにできることを考える場にしたいと思います。
くわしくはこちら(講座案内ページ)から


S.F