2016年6月28日火曜日

すてっぷ創設15周年記念<第一部>講演会、<第二部>交流会を実施しました


おかげさまをもちまして、すてっぷは創設15年を迎えることができました。これもひとえに長きにわたり、おささえいただきました皆様のおかげと心より感謝しております。
617日(金)に、すてっぷ創設15周年を記念し、講演会、交流会を開催しました

 
<第一部>講演会

●豊中における男女共同参画の歩み

槇村久子さん(一般財団法人大阪市男女共生のまち創生協会理事長)を講師に迎え「豊中における男女共同参画とすてっぷの役割」をテーマに講演会を開催しました。79人の皆さんにご参加いただきました。

槇村さんはすてっぷの前身にあたる「働く婦人の家」において豊中にどのような男女共同参画センターをつくるかにかかわりました。そして2000年すてっぷが誕生。2003年「豊中市男女共同参画推進条例」、2004年「豊中市男女共同参画基本計画」が策定され、今年度は女性活躍推進計画を含む第2次男女共同参画計画とDV対策基本計画の見直しの年となります。槇村さんはその中心となる男女共同参画審議会の会長を務めています。

 


15年にわたり豊中の男女共同参画を推進してきた財団事業への評価、課題 

「すてっぷ」の意味をご存知でしょうか。

Station (拠点)

Toyonaka (豊中)

Empowerment (人の力を引き出す)

Partnership (男女が対等なパートナーシップとして社会を形成していく)

英語のSTEP(歩み)をかけ、親しみやすいように、という意味があります。全国公募で決定しました。

この「すてっぷ」であることをめざし事業を実施してきたわたしたちへ、槇村さんはいくつかの評価点をあげました。

・年間6万人の利用→認知度が高い

・社会的課題の講座、シンポジウム

・ターゲットを絞った講座(就労支援、子育て世代、シングルマザー、男性等)

・地域課題への取り組み

  「女性と防災を考える会」これを軸に地域とつながる

  「女性と防災に関する提言書」を市に提出するという行動につなげた

 

●豊中のまちづくりと男女共同参画

槇村さんは、豊中市の特徴として以下をあげました。

・地理的な位置から

 大阪市と隣接、交通至便、多様な都市機能

 東西で見る町の歴史の違い…阪急沿線と御堂筋線

・男女共同参画の視点から

 年齢階級別労働力率 30歳代で全国より低い

  全国女性68.0%、豊中市58.5

 
 豊中のまちづくりにもかかわる槇村さんは、まちづくりと男女共同参画について「千里ニュータウンができた頃に『男性が都市に働きにいく、女性は家庭を守る』というホワイトカラーのライフスタイルができました。このような性別役割分担の問題とともに、まちづくりの問題も女性問題にかかわりがあります。女性が働きやすい時間的な制約にも配慮した、トータルなまちづくりが大切です」と語りました。

 


●女性活躍を進めるために

 槇村さんは「男女雇用機会均等法から既に30年たっているが、女性の労働環境は根本的に変わっていない。雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法等、個別で補正してきたが、トータルとしての政策がない。労働政策、家族政策、社会保障政策、都市構造、これらを一体として進める政策が必要です」と言います。

女性活躍については、以下の指摘をしました。

・女性が働きづらい理由の一つは「日本人、男性、壮年層、終身雇用という画一化」。これを多様化していく。

・本気で取り組むなら男女両方の働き方を変えること、女性が活躍するためには男性もかわることが必要。

・キャリアの同時進行が大切。キャリアといえば「職場」のみに置かれている。人は職場だけで生きていけるものではない。個人、家庭、仕事、地域社会というそれぞれの場所で、どうするか考えるためには学習が必要。これがないまぜになって進んでいる。必要とされる社会を自分がつくるという行動なくしては、社会は変わらない。

 
 槇村さんは自らの介護関係の起業体験をもとに「新しいアイディをつくるだけではなく実行する。そしてそれを事業課し経済的にまわしていく。そこまでいってはじめて社会は変わっていくのではと思った。自分と人々、地域のニーズを顕在化していくことが大切です」と語りました。

 


 

●すてっぷが果たすべき役割

 槇村さんより、すてっぷが果たすべき役割として以下の提案がありました。

・地域課題の解決。

・市民の共感と行動変化。

・くらしの質の変化につながる事業。

・安全・安心で持続可能な社会システムを整える。

・市民が必要とするもの、細かいニーズとともに大きな目標をつくる。

・カタチでなく実質的なものを(現実的でなければ動いていかない)。男女共同参画には長い助走期間があった。次のステップは具体的なものをつくっていくこと。

・身近な生活のあらゆる場面に、男女共同参画の視点を取り入れる。

・男女のライフスタイルの転換に向けて(男女それぞれの本気を問う)。

 
 また「大阪市男女共生のまち創生協会理事長」という経験から「国レベルでは男女共同参画社会となります。これを社会ではなく、自分たちが暮らす地域に当てはめてみてください。自分たちが暮らすあらゆる地域で男女共同参画を取り入れることが可能です。たとえば地域でエコタウンを進めるように、街全体を男女共同参画でつくり直す視点で動いてみる。自分たちが地域をどうつくるか考え、具体的な行動に結びつけていく。自分たちが暮らすあらゆる場所で男女共同参画は可能なのです」と語りました。

 
  創設15周年を迎え「人と地域を元気にする男女共同参画」を掲げるすてっぷは、槇村さんの提案をヒントにこれからも地域に貢献する事業を展開していきたいと考えます。

 
■講演会のアンケートより

・目からウロコでした。勇気をたくさんもらいました。共に一歩一歩前に向かって進んでいきたいと思いました。アイデアだけでなく実行のみですね!

・これからの女性活躍がますます重要になると感じた。

・女性の社会参画は男性の意識改革が必要であること。それと同時に女性の意識改革、自分自身の人生を考える必要性を感じた。女性の人生=家庭ではないことを意識する。現実的でなければ何事も動いていかないということはその通りだと思う。

・行政でできないこと、地域をどう創っていくか、考えるきっかけになりました。すてっぷが人と地域を元気にする大切さを知りました。そして絶対できることを確信しました。

 


<第二部>交流会

●語りあう、つながる

豊中市職員、市議会議員、すてっぷ登録団体、関連団体、市民団体をはじめとした皆さまにご参加いただき交流会を開催しました。副市長の祝辞、参加者全員での乾杯に続き、大阪音楽大学の学生さんによる演奏をバックに歓談。来賓によるリレートーク、すてっぷクイズ、すてっぷ登録団体によるパフォーマンスなどで盛り上がりました。
H.O