すてっぷゼミナールは、各専門分野の最前線で活躍している講師を迎えて現代社会を読み解き、学びを共有するセミナーです。
今年度はエンパワーメントと多様性をテーマに6回シリーズで実施します。
第1回は大阪大学教授の牟田和恵さんをお迎えして、ハラスメントについて学びました。
みなさんが「セクハラ」、「パワハラ」といわれて思い浮かべるのはどんな状況でしょうか。
嫌がっている同僚をしつこくデートに誘う
部下を大声で叱責して物を投げつける
こんな場面は多くの人が「セクハラ」「パワハラ」だと感じると思います。
ところが現実は、はっきりとしないグレーゾーンであることがほとんどです。
「セクハラは『羅生門』」と牟田さんはお話されました。
「なんとかNOと伝えようとした」
「はっきりNOとはいわれなかった。拒絶されていない」
当事者の立場によって受け止め方、見え方は違ってくるのです。
セクハラやパワハラ防止のパンフレットによく「はっきりと拒絶しましょう」と書いてありますが、はっきり「NO」とはなかなかいいにくいのが実情です。
自意識過剰だといわれるかもしれない、職場で性的対象として見られていると思われたくない、もめごとを起こしたくない…。
当事者がNOといっていないから平気なのだろうと放っておくのではなく、ハラスメントにあたるかどうかにはこだわらず、管理職や周囲がサポートすることが大切です。
ハラスメントを受けた人もひとりで悩まず、会社や行政が設置している窓口へ相談に行きましょう。
グループワークでは、最近の事例をもとに参加者同士で意見交換をしました。
最後に、牟田さんから「女性もNOといえるような練習を」「自己主張をはっきりしてもいいという文化を育てていきましょう」とお話がありました。
牟田和恵さんの著書『部長、その恋愛はセクハラです!』は、すてっぷ情報ライブラリーにもあります。
ぜひ情報ライブラリーにお立ち寄りください。
☆関連情報(外部サイト)
あかるい職場応援団(パワーハラスメント)
職場でのセクシュアルハラスメント(PDF)
☆次回のすてっぷゼミナールは…
「発達障害」を考える ~ある保健所長の体験から
日時:5月30日(土)14:00~16:00
講師:松岡太郎(豊中市保健所所長)
※定員に達したため申し込みを締め切りました(4月26日追記)。
F.K