2014年10月16日木曜日

おひとりさまを生きる Part2「最後の選択」


数年前に観たDVD「おひとりさまを生きる~あなたは老後をどのように暮らしますか?」の続編が出たというので、さっそく情報ライブラリーで借りて観てみました。

人生の最期をどこで迎えるか、をテーマに三人の方の選択が紹介されています。

●息子や娘に頼らず高齢者専用賃貸住宅で暮らす高木満里子さん
前作にも登場する高木さんは、以前はひとりで暮らしていましたが、ケア付高齢者専用賃貸住宅に入居し、そこでの生活を楽しんでいます。 

子どもたちとはずっといい関係を保ちたいと考える彼女は、
「ひとりで生きて ひとりで病んで ひとりで老いて ひとりで死んでいく」
 
と決めています。今はスポーツジムにボランティア、趣味や買物と自分の時間を楽しんで生活していますが、将来介護が必要になったとしても、この場所で訪問診療や訪問看護を受けながら、病院に入らず自室のベッドのうえで死んでいきたいと語ります。

「自分の人生を振り返ると、夫とうまくいかず家出や離婚もしたし、一般的には決して平穏な道ではなかったが、どの時代もその時なりに楽しく満足して過ごしていた。過去に戻りたいと思ったことは一度もない。」穏やかな表情で語る高木さんからは、自分で自分の人生を選択し、そしてその最期も自分で選択しようとしているという決意が感じられます。


●脳梗塞を起こし体が不自由になっても、ひとり暮らしを楽しむ梁容子さん
後遺症で手足が不自由になっても、賃貸住宅で介護サービスを受けながらひとり暮らしをしています。施設で暮らすという選択もありましたが、「管理されるのが嫌い!今は自由だから(いい)」と彼女は語ります。漆職人だった彼女は、元の仕事には戻れませんでしたが、友人たちと交流を続け、生活の中でできることを目いっぱい楽しんでいます。


●乳がんと共存しながら、友人・介護サービス・看護師・医師の連携のもと、
最期まで自宅でひとり暮らしを選択した川口洋子さん
20代の頃から大工として活躍していた川口さんに、8年前乳がんが見つかります。
西洋医学のがん治療に疑問を持っていた彼女は、漢方と鍼灸での治療を選び、父親を病院で看取った経験から、最期まで自分の家で暮らしたいと強く望みます。介護サービスや訪問診療・看護・そして何より友人たちの強い連携を得て、自分の大好きな空間である木工所兼自宅で最期の時を迎えます。

登場する三人の女性たちの表情は、誰もが凛としていて幸せそうです。
自ら選んで生きた道の先に、自らが選ぶ最期があるのかもしれません。

巻末に登場する上野千鶴子さんの紹介する
「上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?」
  小笠原 文雄上野 千鶴子著、2013、朝日新聞出版
もライブラリーで所蔵しています。
DVDと併せて、ご利用ください。

U.M.